2023.7.23 宣教「お前は神を恐れないのか」

聖書　ルカによる福音書23章39-43節

　ここには、エルサレムのカルバリの丘で十字架につけられておられる主イエスと、二人の「犯罪人」との対話が記されています。

三本の十字架の真ん中にキリストがかけられ、両側には犯罪人がかけられていました。当時十字架に掛けられることは極刑でした。だから両側にいる二人の犯罪人が死刑に当たるほどの重い罪を犯したことは確かです。この犯罪人の二人はキリストに対して共に反抗的な態度を示していたようでしたが、しかし、二人のキリストへの態度には変化が現れて来ました。その結果は明暗を分けました。十字架の上で苦しみが深くなり、痛みが激しくなっていく中で、一人の犯罪人はキリストにむかって39節「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」とののしり続けたました。それに対して、キリストは沈黙をもって答えられました。キリストを正しく理解しようとしない者には、たとえ答えを語ったところで、所詮、それは空しく返ってくるだけです。しかし、もう一人の犯罪人は、キリストに対する態度に変化が現れて来ました。キリストに対してののしっている男をたしなめて、40節「お前は神をも恐れないのか。同じ刑罰を受けているのに。」41節「我々は、自分のやったことの報いをうけているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」と言いました。その男に対してキリストは43節「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と答えられました。主イエスと一緒に十字架につけられているこの犯罪人の男は、自分などは楽園に入ることなどできないと思っていたでしょう。しかし、この男にとって望みは主イエスでしかないのでした。