2022.7.17 宣教「優秀な兄の罪」

2022年07月17日 05:27

聖書 ルカによる福音書15章25-32節

 先週に続き「放蕩息子のたとえ」の後半です。29節「このとおり、わたしは何年もお父さんに仕えています。言いつけに背いたことは一度もありません。それなのに、わたしが友達と宴会をするために、子山羊一匹すらくれなかったではありませんか。ところがあなたのあの息子が、娼婦どもと一緒にあなたの身上を食いつぶして帰って来ると、肥えた子牛を屠っておやりになる。」これは兄の怒りですが、全く正しい言葉であると聞くことも出来ます。兄の不満はもっともです。これが私どもの家庭内で聞かれる息子の言葉であれば、多くの人は父親に反省すべきことがあると思います。兄は弟のことを「あなたのあの息子」と言っています。自分の弟と呼ばないのです。父親は自分の息子が帰って来たと言って大喜びをしているが、もう一人のあなたの息子のわたしを、この弟と同じように、このようにかわいがってくれたことがるのかと。自分は長男として精一杯働いて来たのに何の意味があったのかと。私たちは真面目な生活をしているから、それに応じて優遇されるのは当たり前だと思っています。主イエスはここで、誰の話をしておられるのでしょうか? 律法学者やファリサイ派の人々は信仰的に道徳的に立派な人たちです。ところが彼らは神の恵みを分かち合うことを拒否していると問われているのです。父は兄のことを叱りつけておられません。弟が帰って来たから、この祝宴にお前も参加してほしいと。一緒に祝おうと。ここにこそ、愛の世界、忘れている神の真理に生きる世界があるのではないでしょうか。

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