2020.3.29 宣教「十字架への道」
2020年03月24日 10:54
聖書 マタイによる福音書27章27-44節
今日のテキストは、主イエスが十字架につけられるに至る「十字架への道」の部分です。それは実際にイエス・キリストが歩まれた道です。裁きの場からゴルゴダへの道をマタイは簡潔に書いています。途中、32節「兵士たちは出て行くと、シモンという名前のキレネ人に出会ったので、イエスの十字架を無理に担がせた」と記されています。重い十字架を背負って、狭い道を歩むことは、イエスにとっては無理なことです。ローマの兵隊たちは、通りすがりのキレネ人シモンに無理やりにその十字架を背負わせました。今まで何の関わりもなかった者が、この世のすべての人の救いと関りを持つ十字架を背負ったのです。自発性ではなく、強制的に押し付けられたのものでした。シモンは、イエスの十字架を背負うことによって、イエスとの出会いを与えられ、イエスのそば近く生きる経験をしました。キリスト者とは、このように主イエスの十字架を無理に、受け取らせられるところから生き始めるものだと言えます。十字架の道を歩まされることは、その時は苦痛ですが、イエスの恵みを知ることは、神に強いられて、そこに立つことから始まります。シモンの自発性は無視されましたが、それが主イエスのためであるとき、それを受け、それを自分のものとして歩むとき、やがて神の恵みへの契機となったのです。