2017.7.2 宣教「善をもって、悪に勝つ」
聖書 マタイによる福音書5章38-42節
「目には目を、歯には歯を」この言葉は誰でも知っています。目に傷を受けたら、相手の目を傷つけ、歯を折られたら、歯を折れという、復讐を徹底的にするということを記しています。この言葉を一般的に受け取っていた者たちに対して、主イエスは「悪人に手向かってはならない」ということを言われ、さらに「だれかがあなたの右の頬を打つなら左の頬をも向けなさい」と言われたのです。これまでの考えではとても考えられないことです。
しかし実際の生活の中で、そんなことが出来るのかということです。これは、理想論なのでしょうか、それとも、無抵抗が本当に力となるのでしょうか?
悪に対して悪をもって報いたならば、それは相手と同じです。信仰生活は忍耐の生活です。しかし忍耐することは消極的な生き方ではありません。人を愛することの大切さは誰でも知っています。しかし、自分の好きな人を愛することは嬉しいことですが、愛したくない人を愛することの方が実際は多いのです。自分の考えを通そうとする人間の立場は忍耐ではありません。
信仰に生きることは自分を捨てることに於いて忍耐をしなければなりません。41節「1ミリオン行くように言われたら、2ミリオン行きなさい」というように、無条件に求める人の言うままに与えなさい、ということが言えるかもしれません。パウロは、ローマ署12章19節で「愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』と主は言われる」。神に委ねるという、非常に厳しいキリストの教えです。キリスト者として生きることは、神にすべてを委ねて神に従って生きる生活です。全てを神に任せて、善を行えば、悪に勝つことが出来るのです。わたしたちは「善をもって、悪に勝つ」ものとして、いつも神が私どもを守ってくださることを信じて生きて行きたいと思います。