2015.3.1 宣教「知者と愚者」
聖書 マタイによる福音書10章16~23節
<本日の中心聖句>
マタイ10:16 「蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。」
現代に生きる私たちにとって、迫害などは、どうにも自分たちには縁のないものだと考えます。
17節では「あなたがたは地方法院に引き渡され、会堂で鞭打たれるからである。」とあり、18節
では 「わたしのために総督や王の前に引き出される」と記されています。
しかし、この時の12人の弟子たちがローマの総督の前に引き出されたわけではありません。
主イエス・キリストが十字架で亡くなられて、復活して、それから弟子たちが聖霊を受けて教会を
作った。伝道の命令を発して教会が伝道に励みましたときに、ここに書かれていることが起こりま
した。主イエスのご命令に従って従って生きたときに、私どもが立たされるその姿を、思いを込め
て語っておれれるのです。
そうまでして、キリストのためになぜ生きるのでしょうか?
それは、キリストの真理を語らずにはおれないということです。
そこで特に大切な事は、16節「蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。」という考えです。
この世に生きる難しさの中で、いわば悪魔の形とでもいうべき蛇と、天使のひな形のような鳩と
いう、およそ合わない対立的な二つの動物を示して、その持つ特性をあなたたちは兼ね備えなけ
ればいけないと言われたのです。
16節に「あなたがたを遣わす。」と記されています。
主によって派遣される、自分の決心や計画によるにではなくて、遣わす主のご意志があります。
主が遣わしてくださって出かけていくのですから、背後には主がおられます。
すなわち主の言葉と共にあることが、弟子たちには強く求められているのです。
主が弟子たちに、蛇のような賢さ、鳩のような素直さを要求なさった時、そこには厳しい危険に
満ちた世界、悪に満ちていてもなお、この世界で、現場でしっかり責任を果たすようにという命令
と期待がこめられていたのです。