2015.4.12 宣教「主よ、何処へ」
2015年04月13日 09:03
聖書 ヨハネによる福音書13章36-38節
<中心聖句>
36節
シモン・ペトロがイエスに言った。
「主よ、どこに行かれるのですか、」
イエスが答えられた。
「わたしの行く所に、あなたは今ついて来ることはできないが、
後でついて来ることになる。」
「主よ、どこに行かれるのですか。」とペトロがイエスに問いました。
この問いを題名にした有名な本があります。ポーランドのノーベル賞作家シェンコヴィッチが書いた
「クオ・ヴァディス」という長編小説です。
この「クオ・ヴァディス」は後に映画にもなりましたが、ローマの都に始まるアッピラ街道の途中に、
クオ・ヴァディス・ドミノ教会というのが建っています。
このお話はといいますと、ペトロはパウロと共にローマで伝道をしておりました。
時に暴君ネロは、ローマに火を放ち、その火災を楽しむとともに放火の犯人はキリスト者であると
言って、それを理由「ネロの迫害」が始まりました.
そういう迫害の嵐の中でシェンコヴィッチは,ペトロの心の中に「主イエスが教えてくださった信仰は
この暴力の嵐に対して、あまりに無力でなないか。」という深い疑いがうまれたと書いています。
そのとき、教会の仲間たちはペトロのことを心配して、ローマから逃れてほしい、これからも教会の
ために、キリスト者のために働いてほしいと願います。
ペトロは、そのことを受け入れてローマを出て行こうとします。
しかし、その途中のアッピラ街道を歩いているとき、共にいる人の芽には見えませんでしたが、
復活のイエスに、ちょうどダマスコの途上にあるパウロが会ったと同じようにキリストに出会うのです。
ペトロは「クオ・ヴァディス・ドミノ」(主よ、あなたは何処に行かれるのですか)と、そこでも問いました。
すると、イエスは「あなたが捨てて逃げようとしているローマに行く。十字架に再びつけられるために」
と言われたのです。
ペテロは、とんでもないことだとローマに引き返して、パエロと共に殉教の死を遂げるのです。
37節で「主よ、なぜ今ついて行けないのですか。あなたのためなら命を捨てます。」と覚悟していても、
ペテロは三度もイエス様を裏切ってしまいました。
しかしキリストはペトロを赦して最後まで使徒として用いてくださったのです。
私たちが人生において、曲がりなりにも教会生活を送り、信仰を持ち続けられるとすれば、それは本当
に神様の恵みであり、神様の賜物なのです。